175 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:01:03 ID:CuHtdJD6



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃巡り廻る生命の環。たった一種を除いた全てのいきもの達は　　　　┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┃
┃この環の中を揺蕩い、流れ、うねり続ける。　　　　　　　　　　　　　......┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　　　／　　　 ,,-‐′　　　　　　　__＿..-------....＿_　　　　　　 `''-､　　　　ﾞ ､
　　_／ 　　 ..／　　　　　　_,,--‐""´　　　　　　　　　 ｀ﾞﾞ''ｰ-..__　　　　　ﾞ' ､　　　 ﾞ＼
　r'´　　 ／´　　　　　_..‐'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ'‐..、　　　 `' ､ 　　 ヽ、
/　　 _／　　　　　..／　　　　　　　　　　　 ＿_　　　　　　　　　　　　ﾞｰ 、　　　＼、　　 ゝ
　　_／　　　　 ／　　　　　　　 __..-ｰ''''￣￣￣"ﾞﾞ'''‐--.._　　　　　　　　`＼　　　 ﾞ ､　　　ﾞ 、
　,r′　　　 ／　　　　　　 _..-''"　　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ'-､　　　　　　　 ﾞ ､　　　 ゝ
丿　　　　 ／　　　　　 _／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`' ､　　　　　　 ｀ 、　　 丶
′　　　 /′　　　　 _／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼、　　　　　 丶　　　ヽ
　　　　/′　　　　 /′　　　　　　　　　__......-....,,__ 　　　　　　　　　ﾍ　　　　　　 ヽ　　　ヽ
　　　 /　　　　　 ./　　　　　　　　 _..‐'"　　　　　｀ﾞﾞ‐ ､ 　　　　　　　 ヽ　　　　　　ヽ　　　１
　　　,'　　　　　 ./　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 ヾ、　　　　　　 ﾍ　　　　　　 '、　　 ヽ
　　 │　　　　　ｌ′　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 ﾞ、　　　　　　 １　　　　　　1
　　 ||　　　　　 1　　　　　　　 |　　　　　　..‐''ｰ 、　　　　 ゝ　　　　　　 │　　　　　 ||
　　 1　　　　　 l　　　　　　　 ｛　　　　　 〔　　　〕　　　　　||　　　　　　　l|　　　　　　||
　　 |!　　　　　 1　　　　　　　 '、　　　　　`ｰ-‐′　　　　 ｌ　　　　　　　│　　　　　 ｛
　　 │　　　　　'、　　　　　　　ﾍ　　　　　　　　　　　　　/′　　　　　　,'　　　　　　 ,'
　　　'、　　　　　'、　　　　　　　 ﾞゝ、　　　　　　　　　_／　　　　　　　 ,'　　　　　　 /
　　　 '、　　　　　ヽ　　　　　　　　　`ｰ..,,＿ 　___,,..-''′　　　　　　　 ﾉ′　　　　　 ｌ　　　 丿
　　　 丶　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　 ￣￣´　　　　　　　　　　 ノ　　　　　　 丿　　　 ｌ
　　　　 ﾍ　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　 丿　　　 /
､　　　　 ＼ 　　　　　　ﾞ' ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..‐′　　　　　　,／　　　 /
丶 　　　　 ﾞゝ 　　　　　　 `'‐..__　　　　　　　　　　　　　 _..-''´　　　　　　　 ／　　　 丿
　 ゝ　　　　　＼、　　　　　　　 `ﾞ'ｰ-....＿＿____＿..--‐"　　　　　　　　　_／　　　　／　　 、
　　 ＼　　　　　 ﾞ' ､_　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　_..／　　　　,／　　 ／
＼　　`' 、　　　　　 ﾞﾞ‐.._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..-'′　　　　／　　　／
　ヽ、　　ﾞﾞ ､　　　　　　　ﾞ'''-..,,__　　　　　　　　　　　　　　__..-‐'"　　　　　 _／　　　_／
　　 ﾞ＼ 　　｀'‐､_　　　　　　　　"'''‐ｰ----........-..--一‐""　　　　　　　,..‐'´　　　／
　　　　`' ､_　　　ﾞ''-､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_..-''" 　　　,,／
　　　　　　`ヽ､　　　 ｀`ｰ-..__　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐'"　　　　_..‐"
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃俺達は環の外に出られない。それ故に環の姿を見ることは出来ない。　　　　　　　　...┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┃
┃環の美しさ、強大さ、残酷さ、理不尽さ、それらをうかがい知ることができない。　　　 .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


176 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:01:32 ID:CuHtdJD6

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃この星でたった一種、人間だけが半歩その身を環の外に置いている。　 　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 . - ―― -.　.
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ´ .　. . : : : : : : . .　.｀.　.､
　　　　　　　　　 　 　 　 ／　. . . : : : : : : : : : : : : : : ヾ:.:.:.ヽ ＿　ｲ
　　　　　　 　 　 　 　 ／　. . . : : : : : : : : : : : : : : : : :/:.:.:.:.:.:.:.:.:＜
　　　　 　 　 　 　 . イ　. . . : : : : : : : :‐: : : : : : :ｲ/ィ:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.＼｀＼
　 　 　 ⌒ー＝≠　. . . : : :. :. :.／: : : : : : :.:／〃:.:.:.:.:.:.:ハ: :.:ｉ:.:.:.:ヽ
　　　　　　　 メ 〃 . . : : :. :. :./´:7 /: : : : :/: :.:.:/:.: ィ:./＿|:.:/:.ｉ:.ｉ:.:.:..
　　 　 　 　 /　 . . . : : : :. :. :. :. :.:{:.{ : :.ｲ:./:.:.:.:ノィ ノィ 　 ﾌｲ:小ハ:|｀ヽ
　　　　 　 八 . :ｉ　: i　ｉ:. :. :. :. :. :. ヾ:./:.|/:.:.:ｉ: :.:/　ィf仡ﾐ､ノ' ﾉ'　ﾉ'
　　　　　　　 ）ｲ　:ハ |:. :. ｉ:. :. :. :. :ﾉ':. :. f ヾ:.:八　ヽ rし'　!
　　　　　　　　　ヽ{　}ﾊ:. :小:. :. :. :. :. :. :.ﾊノ:/: ｉ.|　　 ゝ 　 ヽ
　　　　　　　　　　　 '　}/　 ヾ:. :. :. :. : //: :. :.:.ﾊ|　　　　　 '
　　 　 　 　 　 　 　 　 {'　 　 jハN:. :ヽ:ｉ: : : ィ ﾉ'　　　ｰ ｧ'
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽｲ }:乂　　ィ::... 　 _.′
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　 　 　 ｌ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _/／｀ー､ 　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈: :／: : :ヽ:ｰ　 :._
　　　　　　　　　　　　　　　 　 //: : : : : : ∨:〉 ヽ〉
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／/: : : : : : : :.ｉヽ/ 〉「!_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　ｲ: : : : : : : : :| / /ｲ | lヽ
　　　　　　　　　　　　　　//: /: : : : : : :. :.// /　　 　 }
　　　　　　　　　 　 　 　 |/: /: : : :. :. :. :./:.|　　　　　ｲ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /| |/ : : : : : : : 〃´￣ヽ　／/
　　　　　　　　　　　　　| |/: : : :. :. :. :./: : : : : : :ヽ: /
　　　　　　　　　　　　　|/: : : : : : : : / : : : : : : : /.;
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　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : ／ : : : : : : イ|:.: :.:.|
　　　　　　　　　　　 ; : : : : : ィ: : : : : : :／ //: : : ﾊ
　　　　　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : : :. :.// : : /:∧
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃環の外へこぼれ落ちてしまう危険と引換えに、人間だけが環を俯瞰できる。　　　....┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃その全体を見渡すことができる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃そして、それこそが人間だけが持つ、最大にして、最も尊い力　　　　　　　　　　　　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

177 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:01:47 ID:CuHtdJD6

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃『創造行為』へと至る源泉であると、俺は考える。　　　....┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


　　 　 　 r ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ‐ｧ
　　　　　 '.　'.,ﾞヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -,'　,'
　　､⌒ヽ　'.　',　',　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'　,'　 ;　,　¨ﾌ
　　　'.,　 '.,.}　 ',　',ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｲ　,' 　 !/　 /
　　 　 ' 　 ヽ　 '.,　', ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,' ,　,　　,{'　 /
..　　 　 '.　{￣｀ヽ､　, ',　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,' ,'　ﾑ'´￣} ,'
. 　 　 　 ' .｀ヽ､　　ヽ､.',　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,' ,／　　 ／ '
.　 　 　 　 ' . 　 ヽ､　 ｀ー- ､　　　　　　　　　　 　 . 　''´　　 ,　 ´　,′
　　　　 　 　 ' . 　 　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　 ,　''´　　　　 /´｀　 /
　　 　 　 　 　 ｀　､　　　　　　　 ＼　　　　／　　 　 　 　 　 ,　''´
　　　 　 　 　 　 　 ｀ヽ、　　　　　　ヽ　　/　　　　　　　 ,　''´
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　'.　,'　 　 　 　 ,　''´
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　 ! l　　　 　 ,/
　　　　　　　　　　　　　　　 }　　 　 　 |！　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　 | |　　 　 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　 !　　 　 　 | |　　　　　 l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;　 　 　 　 | |　 　 　 　 :
　　　　　　　　　　　　　 　 ;　　　　　　| |　　　　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　 | |　　　　　　',
　　　　　　　　　 　 　 　 ,'　　 　 　 　 | |　　　　　　 ',


178 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:02:06 ID:CuHtdJD6


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃俺たち化物は何も創れない、生み出せない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃この世の素晴らしい発明と芸術と文化は、何もかも人間が作り出したものだ。　 　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 __＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　\　　 　 　 　 　 ,__| |=i=i=i=i=|
　　　　　_i'vk_　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _i^i三i　 　 　 　 rIi＾i:::| |=i=i=i=i=|
　　　 　 |ｰi|:lll|l　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |三l三|　　 　 　 |iil :liii| |=i=i=i=i=|
　　　 　 |iiiI|:lll||　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _|三l三|__　　　　 |iil :liii| |=i=i=i=i=|
　　　　 _|iiiI|:lll|l　　　　 ｡　　　　　　 　 　 　 　 　 |三:|三::|::|__.　 　 |iil :liii| |::,==､===.､
　 　 　 |￣|￣ |:┐　　 |　　　　　　　　　　　　　　|三:|三::|::l::_l＿＿l__ :liii| | |≡:|≡≡|
　 　 　 |==| ==|ﾛl　　　li,　　 　 ,..､----:､　　 ,..､┴‐‐:､I:::|　|三l l三|:::|Iiii| | |≡:|≡≡|
　 　 　 |==| ==|ﾛl　 ＿hi!.　┌: |=| ==== |i===i|| ==== |￣| |三l l三|:::|Iiii| | |≡:|≡≡|＿＿
　　＿l~|　 l　　|ﾛl⌒l：：：lー┴ｪ|=| ==== |ー一!!I==== |iHi| |三l l三|:::|lHl二二l＿,.-'⌒i：：：
　r‐ｪ l┌┬|￣￣|￣|.　 r‐─ﾞrｪ::| ==== |:l:l:l:l:l|| ==== |iHi|　__,.-'￣|￣l┴‐‐┴┐ ＿r==k
_,ｪ‐┐　r＝r‐､　r‐‐r‐‐:|lllllllll:|::|￣￣l_,i^lHl_:l:l|_へ^丶　r‐‐‐:ｪ：：：I|：：| i i i i i i |/　 /::::::::|
::┴─┐___ ＿l＾i,__i__.三:|lllllllll:|::| ｺｺｺ|ｪｪ|ｪｪ|「llllL |：：|　i三iiiiiil I：：I|：：| i i i .:r──┐::::::::|
= = =I｜：：l　 |：．|：：|　lﾆlニニlii.ｺｺｺ|ｪｪ|ｪ┌─┬┐　<二二il二>＿＿lr─┘ 　 : ｜::::::::|
=.　 　｜　 l　　 　 ：：|　 | | llll　 　 ｺｺ|ｪ 　 _|　　｜　　　 lilー　　 |　 　 　 　 　 　 　 | ::::::::


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃人間だけが環の淵に立ち、真理を俯瞰し、　　　　　　　　　　　　　..┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┃
┃『たましい』の奥底から湧き上がる力を振るうことができる。　　　...┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


179+1 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:02:30 ID:CuHtdJD6

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃不思議なもので元は人間でも化物になってしまうと　 　 .┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃何かを作り出すということができなくなる。　　　　　　　　..┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


　　　　　　　　　　　／／／　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　ｰ=≠≠彡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾊ
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !ﾄ､
　　　　　　 　 ／　　 　 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ト､　 　 　 !|
　　　　　　 ／　　　 　 .l{　　 　 　 　 　 　 ヽヽ ｉ i　 }　} 　 　 　 |i＾ヽ　　　 ﾘ
　　　　ｰ=≠´　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 } } } i　ﾊ/　　　 　 ﾘト､ ｝　　 i{
　　　　　//　　 　 　 　 　 　 　 ﾊﾊ,　　 ヾ=ｧ=≠匕厶　　　　　| う /　　 八
　　　　　/　　　　乂　　　　　　=≠ﾍ.　　 VXｨ弋ヅﾌl|　　 　 ! ﾘｒ'_/　　 八
　 　 　 /　 　 .／　 !.　　　 　 　 代ﾂ>ﾄ､　　ﾄ｀ﾆ二| l|　　　 ｉ|/ |｢　　　｛
　　　　ｉ　 　≠　　 ﾉ.　　　　　 　 V,不ﾄ､＼八　　 ﾉﾉ|ｉ　　 l八 八　　　 ｀丶、
　　　　l 〃../ 　／　　　　　　　　∧　,′＼ヽ ｀ヽ　　|ｌ　　 |　/{爪ﾊ八　　ト､ヽ.
　　　　iハ /.／　　　　　　　　　 　 ∨　　 _　 ）　　　从　 i.l /　　 ｌ |ﾐi )ハ〉〉〉 〉
　　　　{　乂　　　 　 　 　 　 i |｜ 　`￢'＞＿＿＿__､ハ　V　 　 ﾉ |ﾐ|.:／／ ,//
　　　　／　　　　　　 　 　 i　l |八　　|i ハ＾こ二 ￣ /　 }.ｲl　　　　 l／／
　 　／　 ／　　 　 ｉ　　 i　l　| ﾄ､ハ l.|ｌ{/∧　　　　　　／ﾆﾘ　 　 ／／
. ／ 　.イｲ　　 /ｉ ｉ |　　 { .乂乂> ｧ川Ｆニ弍、＿__ ／ニ〃 　／／
（( Y´　ﾉﾉ　. .ｲ八Ⅵ、　 ＼ ／／〃ｉ.|　 八_乂>{{ニニ　ｉ{ ／{／
　　し'//i （（　|　 ヽヽ＞､　　く,／{{八ゝ/ ／≠/∧ニ　／ｏ ﾘ　　　　／
　 　 ｛｛ハ_.`斗=ﾆ二　　 ）　　}　从 　 ／≠{ 〈/o_,X〃＞='′ 　 ／/
　 　 ∧V⌒ヽ.|　　　　 ／）　 ﾉ 　 ﾊ／≠{　{　 {>'⌒''<二ﾆ=‐-≠　/
　　〃 /　/　 i|　 　 ／ イ ／{　　 /≠{　{　{ 　 〉'⌒　 ｀Y´-＝ﾆ.／
　 /　/　/ 　 ﾉ　 ／　　,ﾉ′丿　 // /{　{　{ ｘく⌒ヽ. _／￣　 ／
／　/　/　／　／ 　 ／　　（ 　 // /厶＜´　　ﾉ ハ/ニ=- ／


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃環の外へこぼれ落ちてしまった者には環を見ることは出来ない。　　.....┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃環の中に還ることも出来ない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ただ、底なしの闇の中を無限落下するだけだ。　　　　　　　　　　　　　　┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


180 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:02:45 ID:CuHtdJD6


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃俺は素晴らしい物を作り出していた人間が環の外へ落ちていく例を幾つも目にしてきた。　　　..┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／{ ィ＾ ー‐‐‐ ァ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒＞｀Y　　　　　　　　＜__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ . . :.:.:.:.:.:.:.: : : : : : . . . 　　 ｀ ＜
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／. . : : :./.:.:.:: : :!:. : :.:. : : . . . .　　　　｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　/／/／//.:::／.::::l.::ミメ、: :.:}.:::::::｀ヽ : : :く⌒
　　　　　　　　　　　　　　　ノl. . .:.:.:::::/／/／:::厂｀丶｀ヽハ::::::::::::l::::ヽハ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ. .:.:::::::::::::::::::::::::,:｣｀ヽ　 ＼　　｀ヽハl::::l:l:::::ﾄ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 イ. .:.:::::ｊ｀ヽ:::::::::／　 ノ　｀≧:ｘ、＼　　八从ﾊｊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 |. .:.:::/ ＾ヽ }:::/　 ⌒ヽ　{｢ ｏ｀ヾ:.､ ＼l　　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 |: : :.:| こ（　〉'　 　 {　 }　ゝ==- }::ﾊ　ﾉ ﾉ {
　　　　　　　 　 　 　 　 　 jｨ. :/{ ヽ　} }:::::.､）人ノノ 厂 　 ⌒ﾞﾞ ､___,,｣
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /}:/　＼ゝ'　　 // / /:::::...　　ノ⌒ Y ｒ''"´
　　　　　　　　　　　　　／ /　/　/ゝ　　/　 　 二ﾆ=彡 ヽ. 　｜|
　　　　／{｢三三三三/{// ／　/ 八.:::/　 〃´　　　　　　_ 　 |｜
　　　///,||:::::::::::::::::::///／{ ／{ /　 ヽ　 / ／　　￣ ｀ヽ､ｒ‐―┘
　　,////,∧::::::::::::://从{〃{　//　/　} ｀ く　／／　　｀ヽ｢
　 //////,∧::::イ////ハ//V/　/　/ / 　 ＼< /　 　 /´
　////////∧///////ハ//从〈 ノ / /　 　/ヽ.＿＿ｊ
　/////////∧/////人ハ//ハ/{/{/{/　 /////∧:::ヽ
　//////////∧////イ{/∧//∧{/{/{/イ｀ヽ;'///∧::::::.、


┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃悲しかった。そして恐ろしかった。　 　 .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛


181 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:03:08 ID:CuHtdJD6

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃環の内側へ向かえば安息がある。人間はその道を選ぶこともできる。　　....┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


　＿|＼／＼／|＿　　　　　　　　　　　　　　　＿|＼／＼／|＿
　＼　考　あ　 ／ 　 　　＿＿_[〕＿＿_　　　 ＼　や　ボ　　／
　／　え　な　 ＼,.　''"´ 　 　 　 　 　 　 ｀丶､／　 っ　ク 　 ＼
　＼　て　た 　 / 　 　 　 　　 　　　　　　　 　ヽ　 て.　は　 ／
　／　く 　も 　 {　　 '‐-‐'´ 　 　 　 　｀'ｰ-‐' 　 }　 る　真　 ＼
　＼　だ　真.　 ＼,ｒ┬────────rｚノ　 ん　面　 ／
　／　さ.　面　 _;彡イ／＼uヽ:::}i:u:ノ:／＼:小ﾐ､　 で　目　 ＼
　＼　い　目. ┌刈┏┌─＼｝ﾊ｛／─┐┓弐┐ す　に　 ／
　／　 !!　に　｜ﾆ;l┫i 　 ＠.;;}尖{:;.＠ 　 i┣}lﾆ |　 !!　　　　＼
　￣|／＼／＼| l_｝┗━⌒!⌒　u⌒l⌒━┛｛_l |／＼／＼|￣
　　　　　　 ＿,人__}:/:'/⌒,:,`ｰ---‐';:,⌒ヽ;ヾ{_,ノ＼＿
　　　／￣　 / / 　{;'::{;ﾞ//二ニﾆニ二ヽヽ;:u':}ヽヽ　ﾄ､ ￣＼
　 ／　l:;, 　 /　! ;;{人'u;{ {＾Y´￣￣｀Y＾} ｝:ﾉ:人 } l 　! |　:''　 `┐
ノ 　 　 !ﾉ　/ :: } ::｛ l ＼:':ヽ二ニニ二ノ:';'／｝ ｝{！ l　|　/　　　ヽ
　;; 　 ヽ|　/ , -‐┬-､　|｀'ｰ-ニ二ニ-‐'´　_|_┌‐-､！|　! 丿
　　 　＼!／ 　／⌒! .） |へ＼ 　／-‐.,;:'';/ l⌒＼ 　＼| ﾚ　　.::'
　＼　ヽ/ヽ　　u'／⌒!　|　　｀∨　　 　 （l⌒＼　　　ノ∨ ／　 丿
、　 ヽ /:::::::ヽ._ 　 ／｀!　| ,,:: 　| ０ ,,:: 　 l´＼　u　ノ:::::::∨　／
　＼／ 　 :::::::::::ヽ、　/;;;;;| 　　 |　＼　　人　　 ノ:::::::::::::u ＼／⌒
. ／／　U　 ..::::;＿／,,,,,,,,|＼_　| ０　　〈''''}''＼＿__,　U 　　ヽ＼
　　　　　 ..:::／;;;;;j_厶～┘＿　|　＼　 └{＿_ノ┘＼:::...　　u

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃しかし人は得てして偉大なものを創造する時、破滅が待ち受ける虚空の淵ギリギリに立つ。　　.....┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


182 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:03:30 ID:CuHtdJD6

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃何故そうするのかは分からない。　　　　 .┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┃
┃しかし真に驚異的なのはその次だ。　　....┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'三三三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vr 二二二二.V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _{≦二三三二:}_
　　　　　　　　　　　　　　＿＿　 { .V ゝ-' {:ゝ-' i}r.}‐ ､-- ､
　　　　　　　　　　　　　〃　　　ﾐ:.ゝﾊ 　__ｰ'__　 i:ｨ'｀ﾐヽｰ　 ',
　　 　 　 　 　 　 　 　 /}　　　≦　{ヾﾄ.{ニ .r┴'./}　 ゞ　 /ヽ}__
　　　　　　　　　　　　 {i{　　 / ≦ ヾ≧メ .Y r≦/　彡{ ./V　　ノ
　　　　　　　　　　　　 /''´／ヽ ≦;,:　ヾ三三三/　ィ／/　}Vヽ{ヽ
　　　　　　　　　　　 ./ {　 、 .ハ､_''"ﾞ≠==≡y'彳-‐ ./　//⌒｀　＼
　　　　　　　　　　.／⌒　ﾐ ヽ }　ヽ　ｰ- _　 ,ｲﾄ.、　.ノ　ｲ⌒ ｰ　ミ　 {､
　　　　　 　 　 .／　´　 ヽ. ＼V､　　> ミア// {{ ｀¨　i {　 i　　iヽ　　＼＼
　　　　　　　 ./　 -‐-　､　.ヽ . Y{　ヾ　¨ | }.}　ヾ 　＼ {　.|　 //　 -､　 ヽ ヽ‐- ､
　　　　　　　/　　　　　　　　 .＼}　　　　 | }　　　　 ヾ　|...|　{　/　　　ヽ 　　　　　ヽ
　　　　　 　 |　 ＼ヽ　　　　　ヽ .＼　 　 .|　i　　　ヽ､　 ヽ|　{　/　　　　 }　i　　i　　.}
　　　　　　　Tミ､　｀　　 　 　 　 　 .ヽ､　.|ﾊ　 ＼　　_　　 ヾ{ /,ｲ三ヽ､ 　 .|　　}　　i
　 　 　 　 　 |三三ヽ　　　　　￣｀ 　　　ヾ､}　　 .＼　　　　 { /三三三ﾄ､_　／｀⌒/
　　　　　　　{｀＜＞7｀ヾ　　　　　　　　　　　＼　　 .＼　 　 V三三三/　　　　　 /
　　　　　　 /、ｰ- ./｀　ヽ 　￣￣￣ 　ミ､　　　ヾ　　　 ヽ　 /r-‐ ､ Vヽ　 ／ .／
　　　　　　 ヽ } .// ヽ ＿.へ　　 ヽ　　 _　r‐'⌒ヽ}　　 /　r'　 /　i　.}_　 /　ィ￣　ヽ
　　　　 　 　 .ﾞｰ'/　　{　　　　＼　　　{　i...|三三ヽ 　 　 　 ｰ '　.///　⌒´　　　　　 ＼
　　　　　　　　 /　　 .|　　　　　 ｀ア￣　|ハ三三 ヽ　　｀ 　 ｀＜_ノ　 　、　　　　　　　 ヽ
　　 　 　 　 　 } 　 　 ! 　 　 　 ／　　　　　 ヾ三三 ＼　　　＼　　　　　 　 　 　 　 　 　 }
　　　　　　　 ./　 /　.|　　　 ／　　　　　:..:.　　ヾ三三 ＼　　　 ｀　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　/　 /　　レ 　´ 　　　　　 ///　　/三三三　ヽ 　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　i　 ／　　　　　　　　 ///　／三三三三三ヽ　　　　　　　　 　 　 ／
　　　　 　 .'　　 i　{　 ｨ´三二ﾆｰ----‐≦三三三三三三三 ＼　　 　 　 　 　 ／
　 　 　 　 |　　 .|　| /三三三三三三三三三三三三三三三三}ヽ　　　　　　/
　 　 　 　 |　　 .|　V三三三三三三三三三三三三三三三三三i }　　　　 ./
　 　 　 　 |　　 .|　 }三三三三三三三三三三}二二ヽ三三三三i__ヽ　　.／
　　　　　　｀　__.|　/三三三三＞=─'''''Ｔﾆ{:::::::::::::://///// ヽ三}　 ｀ヾ'
　　　　　　　　　 └───＝ﾆi/⌒ヽ　|´ i::::::::::::///////// }三}
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V⌒ヽ、|　}:::::::::/｀ー---''⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V⌒ヽ |/::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}/ヽヽ.|}:::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|二二.{ ヾ::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ー-‐ ヽ 　｀￣ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ＝＝＝'
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃彼らはどれだけ絶望しようと、打ちのめされようと、　　　　　　　　　　　　　......┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃破滅の寸前まで行きながらその淵で踏みとどまり、“帰還する”のだ。　　......┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


183 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:03:45 ID:CuHtdJD6

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃原典に堕ちず、根源に飲まれず、その力の渦から　　　.┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃素晴らしい創造物を持ち帰ってみせる。　　　　　　　　　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　_,．-;‐'7
　 　 　 　 　 　　　　,.．-=＝ﾆ三彡'"ん、
　 　　　　　　　　,∠≦ﾞ、¨ﾞ';っ)ﾆぐィ二;:）
　　　　　　　　／"￣¨ヽヽ. ',-"､__ヽ、ﾐZ、
　 　　　　　∠≦=:.､　ｆﾞヾ. V'７ Tヾ.㌦’::.ヽ
　 　　　　,〃,ﾆ==ｧ､ヾﾄ､　`　ﾍ. {.　!ょ':.:.:.:. i
　　　　　rj.{〃´ // ヾ;_`ﾐﾐト.､_ﾙ､/d'ｈﾞｰ-､!
　　　　　ｆ斗'_ﾆ二￣;:ﾃt:￢ﾞｰ:-.ミ';c仁,_Pq}
　 　 　　‘ﾃTﾄ､N_丈ﾐ{、ﾞ:.:.ﾔ;.::::ｬ;::ﾞiド､:;;;;X′
　　　　　（ ﾄﾊ´ }少 了ヽ.:,:.:iｌ|:.:.::ｌ|::::|!:.:.:.:.:.ﾞヽ、
　 　 　 　 ｀ノ　　　　ヾﾉi .,:.:ilj;.:.::ﾘ::::l!:.:'ﾞ゛:. :._;:＞=:、
　 　　　　└、　　　　〃} .,,:.:.:.:.:.:'.:.:儿-_=;彳;";彡'′_,．-､_
　 　 　 　 　 ヽ‐_,,..-彡 ,>♀o__;:．;'‐ﾆﾗ彡=＝￢;'彡＜;-､ﾘ_
　 　 　　　　　ｆ-‐:'";:z彡;びﾆ‐',ﾆ三ﾆ_-_-_‐;彳´.:.:.:.:.:.;}ヽ';.:;:.￢、
　 　　　　　　弋;．ｧｨ⌒尢彡∠-=二‐- ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;|:cﾄ､:.;:.;:.ﾞ￢‐-.．_
　 　 　 　 　　　　,ゞｽノ／　　　.: .:.:..:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;|:c|::ヾ:.;:.;:.;:.:.:.:.:.:.:.¨';‐-､
　 　 　　　　　　<_>′/　,..: 　 :.: .: .: .:.:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;|:c|:.:.:.＼:.;:.;:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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┃人間こそは真に偉大な生き物だ。　　　　　　　　　　　..┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃他のどんな生き物にもこんな芸当はできない。　　　....┃
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184 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:03:59 ID:CuHtdJD6


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┃俺は鬼としての長い生涯でただ一度きり、　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃彼らのように命と魂の全てを賭けた創造に挑んだことがある。　　　..┃
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　　　 　　 　 　　　 　　 　 ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　 　 　 　 　 　　 i＝,:r 　l!⌒!｀i 　 　,..-- ,　　　　　　　　　　　, --､.　 　 i´!⌒!l　 r:,＝i
　　　　　　　　　 L_.｣ .|　|:'=ｰﾞ | 　　.ｌ ｌ⌒l|　　　 　 　　　　 　 |l⌒ｌ ｌ.　　 | ﾞｰ=':|　|. L._｣
　　 　　　　 　　 l 　　!　.| 　 　|　 　,| '‐ｰ.|｀i 　 　 　 　　 　 i´|.ｰ‐' |,　 　|　 　 |.　!　　 l
　　　 ,.;‐- ., 　　l==　!　.|:==-│　　l 　　.|'"|　　　　　　　　 |"'|.　　 l　　│-==:|.　!　==l　　 ,. -‐;
　　　ヽゝ 　 ヽ、| 　　|　.l 　 　| 　　l :;=ｰ!＝i　　 　　　 　　 i＝!ｰ=;: l　　 |　 　 l.　|　　 |　/ 　 //
　　　　 ＼-　 :{.,|＿　}　| 　 　| 　､l 　 　l　│ 　　　 　　　 │　l　 　 l、　:|　 　 |　}　＿|,.{::　　7
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　　 　 　 　 ヽ:. 　 |:::　｀!:::::: 　/　:::::／:::::／　　 　　 　 　 　 ＼:::::＼:::::　ヽ　 ::::::!′　:::| 　 .:/
　 　　　　　　　 ....::....　　::::　　　　:::`　:::/ 　 　 　 　 　　　 　　 ヽ:::　`:::　　　　::::　　....::....


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃その結果出来上がったものは、決して大したものじゃなかったが、　　　　┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃それまで何を作ってみてもピンと来なかった自分にとっては　　　　　　　....┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃なかなかの物だったと思う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...┃
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185 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:04:13 ID:CuHtdJD6



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┃そして何よりそれを作り上げている間は、人間だった気がするのだ。　　　　┃
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　/　　　 　　　　　　　ヽ
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃あのひと時の『たましい』が震えた歓喜の残滓が、今でも俺の胸の奥と掌で燻っている。　　 　 .┃
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186 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:04:32 ID:CuHtdJD6



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃あの時、あの瞬間だけは、あいつと同じ場所が見えた気がするのだ。　　.....┃
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　　　　 　　　_　- ´: : : : : : : : : :＼: : : : : : : ＼＼
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　　　／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:ﾄ: : : . : : : : .:.:.ヽ:..ヽ
　　/ : : ,: : : : : : : : :.i: : : : : : : : : : :.:.:.:!＼: : ヽ: : . :.:.:.:.ﾍ:.:ヽ
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　 !. :./: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : : ,'.:.!　 　 ＼:ヽ : :.､:.:.:!:.:.:.ヽ
　l: . .!. : : . : : . : : : :.!: : : : : : : : : : :,':./　　　＿ゝ‐-: :|、:.!:.:.:.:.ヽ
　!. ..l. : . : : : : : : : : :|: : : : : : : : :l: ｲ;.!, -'"´　　　 ﾄ:.:.:!:l:..|:.:.:.:.:.:!
. !. . |: : : : : : : : : : : :ﾄ; : : : : : : :.! l !ｲ　　　　　　　!ヽ |.!/:.:.:.:.:.:.:l
｜ : !: : : : : : :',: : : :, x-─ :.:...:.:l!.| ﾚ　　　　彡≠､k_ヾ:..r-､.:.:.:.:.!
. !: . .! : : : ﾍ: : ,x '´: : ﾄ､ヽ . :.:.:!ﾚ　　　 ｰ斗匕て',ﾗﾞ:.:.:.:!., ヽ.:.:.:}
. l. . :.',: : : : :.X: :.ﾍ-､:.::fヽ ＼_,'　　　　　"ﾍっ_..::.ﾉ.! :.:.:.:k' /:.:.:.i
　!. : : ',: ヽ:.´.:ヽ､:.ﾍ xz≠ミｋ 　 　 　 　 　 ゝ- ´　! :.:.:.:.Y.:.:.:...ﾍ
　l. : : : ヽ: ヽ、:.＼X〈!ら::..:;.ぅ　　　　　　　　　　　｜:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.|.:ヽ
　 ',. : : : :.｀ -｀_ｔ xｚ､ ﾍﾋｒ- ´　　　 ､　　　　　　　 |. :.:.:.:.:.!.:.:.:.:ト､.:ヽ
　　l : : : : : : :.:..iﾍしヽ　　　　　　　　　　　,　 　 　,.l :./:l./:.ｨ:ﾊ.}　 ー`
　 　', : : : ヽ :.:.:.ヽ ニ >　　　　　　 ー "´　　 　 ｲi:.///／ｿ　ﾘ
　　　i; : : : :.ヽ: .:.:.::.:.:.:..:.:.ヽ､ _　　 　 　 　 　 ／　ﾘ/iイ'
　　　 }: : :ﾄ: :､ヽ:.:＼.:.:.:.:..:.:.:.:.､ﾆ　― ｔ　- '　　　メ
　　　 | : :.ヽヽ:.ｰ ､＿ヽ＿Zー‐￣ｰ` i　　　 　 　 ' ,
　　　 l: ﾊ:ﾄﾍ　￣　　　　　 　　 　 　 j　　　　　　　 ｀ -　_
　　　//　ﾞｰ　　　　　　　　 　　 　 ／　　　　　　　　　　　 ｀ - y｀ｰv､＿_
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　<:　:/: : : : : 入
　　　　　　　　　　　　　 ／ﾚ '　 ＿＿　　　　r ' ´￣　　　　<´: :/: : : : : : : :.i
　　　　　　　　　　　 _ ,ﾍ: :.ﾗ　　　　　　｀　　　　　　　　　　そ: / . . : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　,´: : : :ヽ::}　　　　　　　　　　　　＿　― :.:￣i　　　　　　. : : ヽ
　　　　　　　　　 ,' : : : : : : y　＿　- ―..-　‐　￣　..::..... 　　　{　　　　　　. . : : i
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　　　　　　　　　ﾍ　 　:..　,':::＿＿:..　　　　　_　- ‐ ￣　　　 　　',　　. . : : : : : : :!
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┏━━━━━━━━━━━━━━┓
┃俺はそれが忘れられない。　　　　┃
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187 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:04:47 ID:CuHtdJD6











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┃忘れることも、諦めることも、できない。　　 　 .┃
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188 ： ◆.DfxuBnBrg [] ：2013/06/29(土) 22:05:22 ID:CuHtdJD6

第１０話　おしまい

次から第１１話です


190 ：小さな名無しさん＠この板は300レスまで [↓] ：2013/06/29(土) 22:06:06 ID:uZDquqdQ

キル夫がすごく人間っぽく感じた
何を作ったのかな


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